全国の消費生活センター等には、美容医療をオンライン診療で行うクリニックに関する相談が2017 年頃から寄せられており、近年増加しています。これらの相談では痩身目的の治療について、オンライン上で初診、薬剤の処方やその後の継続的な診療が行われています。また、国内では2型糖尿病治療薬として承認されている GLP-1 受容体作動薬 1を痩身目的で消費者に自己注射させるケースがみられます。
相談内容を見ると対面診療での美容医療サービスに関する相談と同様、クリニックのウェブサイトの広告や説明内容等に問題があるケースや、解約・返金等のトラブルになったケースに加え、「冷蔵保存する必要のある薬剤が常温で海外から届いた」など薬剤の処方、管理等に問題があるケースや、「副作用が出たためクリニックに相談したが、医師の対応がない」など副作用等が出た場合の対応が不十分なケースもみられます。
そこで消費者トラブルの未然防止のため、相談事例や問題点を紹介するとともに、消費者への注意喚起を行います。
http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20200903_1.pdf
(2020年9月3日 独立行政法人国民生活センター より転載)
美容医療の消費者トラブルが止まらない。
全国の消費生活センターには医療脱毛や脂肪吸引、二重まぶた手術など美容医療に関する相談が毎年2000件前後で寄せられている。
あまりのひどさに消費者行政の監視役として2009年に創設された内閣府の消費者委員会は過去に2度、厚生労働大臣に改善策を求める建議を出しているが効果は上がっていないようだ。
国民生活センターも一向に減らない美容医療の消費者トラブルを受けて、たびたび情報を出しているが、2019年11月21日に、男性の美容医療サービスに関する問題点をまとめ、トラブル防止へ向けて消費者に注意喚起、同時に日本美容医療協会や日本美容外科学会などに改善策を要望した。
年間約2000件の相談のうち、その2割、約400件が男性からの相談だという。
包茎手術、薄毛治療など男性特有の施術苦情で、「無料診断のつもりで行ったら、不安をあおられ、即日施術された」「広告記載の数万円で施術ができると思っていたら次々に追加の施術を勧められ百万円の高額施術代金になった」など、勧誘方法や施術代金に納得がいかないという事例が目立つ。
(2019年12月25日 東洋経済オンライン より転載)