美容医療ニュース

エステサロンなどで超音波の技術を使った美容施術を受けた結果、やけどやシミができるといった事故が相次いでいるとして、消費者庁の安全調査委員会が調査の中間結果を報告し、機器の使用などに関して法令による規制が必要かを検討していくことを明らかにしました。

事故が相次いでいるのは、エステティックサロンなどで行われている、肌のたるみを取ったり痩身(そうしん)効果を得たりするために「HIFU」と呼ばれる機器で超音波を照射する施術です。

去年から調査を進めている消費者庁の安全調査委員会、いわゆる消費者事故調が26日に調査の中間結果を報告しました。

それによりますと、2015年11月からことし5月末での間に110件の事故の情報が寄せられ、このうち76件はエステサロンで起きていて、
内訳は
▽やけどが45件、
▽皮膚が赤く腫れる、シミができたなどの「皮膚障害」が23件、
▽マヒが残ったといった「神経・感覚の障害」が13件などとなっています。

これまでの調査では、施術者が施術の内容や注意事項などを十分に説明しておらず、利用者がリスクを理解していないケースも多いことや、非常に強い照射能力があり、やけどなどを引き起こすおそれがある機器がエステ店で広く使われていることが分かったということです。

事故調は今後、機器の使用などに関して法令による規制が必要かどうかなどをまとめ、今年度内に再発防止への提言を示したいとしています。
(2022年7月27日 NHKより転載)

政府が6月上旬に策定する経済財政運営の指針「骨太の方針」に、医療現場でのDX(デジタルトランスフォーメーション)を加速する基盤となる「全国医療情報プラットフォーム」の創設を盛り込むことが26日、分かった。医療機関や自治体が電子カルテやレセプト(診療報酬明細書)、予防接種などの情報を共有し、患者が最適な治療を受ける環境を整備したり、感染症の流行状況などを的確に把握したりする狙いがある。
医療の現場では、デジタル化の遅れによる弊害が目立っている。医療機関や薬局をオンラインでつなぐシステムが乏しいため、患者の治療経過や投薬情報などを共有できないケースが多い。自治体が行う予防接種や検診の情報も、十分活用できずにいる。

政府には、新型コロナウイルス対応をめぐる苦い教訓もある。医療機関と保健所が感染者の情報をファクスでやり取りするケースが多く、感染の全体像の把握が遅れた。

そこで、骨太方針には医療のデジタル化を強力に進めるため、首相を本部長とする「医療DX推進本部」の設置を明記。病院や薬局、自治体などをデジタル情報でつなぐプラットフォーム作りを進める。

プラットフォームは、国民の医療保険の資格履歴を一元的に管理し、医療機関が患者の保険資格を確認するための「オンライン資格確認システム」を活用する。現在は現物の健康保険証で資格確認しているケースが多いが、骨太方針では、全国の医療機関や薬局に、来年4月からオンラインシステムの導入を原則義務づける方針を明記する。

さらにプラットフォームにつなぐ電子カルテの規格を標準化し、どの医療機関でも患者の情報を共有できるようにする。

マイナンバーカードを健康保険証として使う「マイナ保険証」がシステムにアクセスする入り口ともなることから、医療機関が顔認証付きカードリーダーを導入するための支援も行う。
(2022年5月27日 産経新聞 より転載)

 顔やあごのたるみを取る美容手術で、レーザーの照射を誤って患者に重いやけどを負わせたとして、大阪府警は美容クリニックの40代の女性医師と女性看護師2人の計3人を業務上過失傷害容疑で書類送検した。捜査関係者への取材でわかった。3人は容疑を認めているという。

 送検は26日付。捜査関係者によると、医師が勤務する大阪市北区のクリニックで昨年1月28日、同市内の30代の女性患者のレーザー治療をした際、冷却措置ををとらず、患者の様子も確認せずに手術を進め、患者の首や顔に約2週間のやけどを負わせた疑いがある。治療には特殊な照射機器が使われた。

 捜査関係者らによると、施術当日、医師は患者に静脈麻酔をした後、看護師に治療を指示し退室。施術は看護師2人が行った。機器は日本国内では未承認の韓国製で、医師が個人で輸入したという。

 患者側が昨年11月、全治6カ月のやけどを負ったとして同容疑で告訴し、府警はクリニックを家宅捜索していた。クリニックを運営する医療法人は27日、取材に「詳細についてはお答えすることが難しい」と答えた。捜査関係者らによると、患者とクリニックの間で示談交渉が進んでいるという。

(2022年1月27日 朝日新聞デジタル記事 より転載)

美容整形手術を求める目的の多くは、若く魅力的な外観に「時を戻したい」という欲求に基づく。米国形成外科学会(ASPS)の調査によると、パンデミックの影響を色濃く受けた2020年も、同国内では23.4万人以上の患者が美容整形手術を受けたという。

フェイスリフト手術の結果はその評価が難しく、これまで主観的な基準に照らして判断することが主であった。米ホフストラ/ノースウェル医科大学などの研究チームは、既存の「見た目年齢評価AIアルゴリズム」を活用し、手術前後における患者の主観的評価とAIによる客観的評価の差異を検討した。Plastic and Reconstructive Surgeryからこのほど公開されたチームの研究論文によると、畳み込みニューラルネットワークによって構築された4つのAIは、対象となった50人(平均年齢58.7歳)において、手術前の写真から実年齢をほぼ正確に推定していたという。一方、フェイスリフト後の写真では、AIが平均して4.3歳程度、実年齢より若く評価していたのに対し、患者の主観的評価では6.7歳程度若返ったと認識していた。

研究チームは「フェイスリフトの治療効果を、患者は過大評価する傾向があるのかもしれない」とした上で、これが手術への感情的および経済的投資を反映したものである可能性に言及している。また、これらのAIアルゴリズムは、フェイスリフト手術後の「見た目年齢」を客観的に評価する理想的な臨床ツールになり得る点を強調するとともに、形成外科医の自己研鑽を目的とした技術評価にも適用できる余地があるとして、今後の利用拡大を予期している。

(2021年7月2日 The Medical AI Times より転載)

厚生労働省は24日、美容医療関係のウェブサイト広告で規制している事例について、具体的な解説書をまとめた。
「即日インプラント治療 1日で終了」「医療脱毛満足度99%」「全身脱毛3年し放題」といった表記は虚偽や誇大広告にあたるとし、注意を呼びかけている。

美容や医療に関するウェブサイトは2018年施行の改正医療法で規制を始めたが、消費者トラブルが絶えず、解説書をまとめた。
「即日インプラント治療 1日ですべての治療が終了します」という表記は、定期的なメンテナンスが必要で問題があるとして「虚偽広告」にあたるとした。「医療脱毛患者様満足度99%」もデータの根拠を明確にせず、患者の満足度のみを示しているとして「虚偽広告」としている。

「全身脱毛3年し放題」は、体毛が生え替わるサイクルの関係で脱毛できる回数は限られ、誤認を与える可能性があるとして「誇大広告」とした。体験談を口コミサイトから転載することも「医療機関にとって便益を与える感想を取捨選択して掲載し、強調するのは虚偽・誇大にあたる」として禁じている。

虚偽広告は中止命令や是正命令に従わなかった場合、6カ月以下の懲役か30万円以下の罰金となる。

(2021年6月24日 朝日新聞デジタルより転載)

https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000796779.pdf

美容クリニックで極細針を刺しプラセンタ等を注入する美肌施術を受けたが、重要な事前同意事項を知らされていなかった。
二重まぶた手術の相談に行き、当日中の手術を強く勧められて手術を受けたが、金額や仕上がりに納得がいかない。一部でよいので返金してほしい。
インターネットで見つけたクリニックに出向き、説明を受けた当日に包茎治療の手術を受けた。高額すぎるので減額してほしい。

・美容医療サービスに関する相談のうち、危害に関する相談

インターネットで検索した美容外科で糸によるフェイスリフトの施術を受けたが、左右非対称であり、傷が治癒しない。返金してほしい。
医療レーザー脱毛で襟足に火傷の跡が残り腫れて皮膚から膿が出た。クリニックに治療費などを請求できるか。
毛穴とニキビ跡の悩みがあり美容皮膚科で施術を受けたが、顔が赤く腫れた。痛くて耐えられないのでやめたいが、解約可能か。

(2021年5月21日 国民生活センターHP より転載)

国民生活センターは13日、民法改正で来年4月から成人年齢が18歳に引き下げられるのに伴い、若者に多い「美容医療サービス」をめぐるトラブルが18、19歳にも及ぶ危険があるとして、注意を呼び掛けた。特に、インターネット広告がきっかけで店に行き、高額なプランを契約してしまったり、十分な説明なしに施術を受けて副作用が生じたりするケースが多い。

センターによると、全国の消費生活センターなどに寄せられた美容医療サービスに関する相談件数は昨年度に20代で826件、10代は66件だった。

成人年齢が引き下げられると、18、19歳が親の同意を得ずに交わした契約を取り消せる「未成年者取り消し権」を行使できず、悪質商法のターゲットになることが懸念される。担当者は「その場で安易に契約せず、リスクなどの説明を受けた上で施術を受けるか慎重に判断してほしい」と話している。

(2021.5.13 THE SANKEI NEWS より転載)

未成年へ美容整形への価値観や容姿の悩みほかを調査したところ、9割(88.6%)が「アイプチ・アイテープ」の使用経験があり、9割以上が「美容整形したい(91.8%)」と回答。やってみたい美容整形は「二重埋没法」、次点に「涙袋ヒアルロン酸」「目頭切開」といった【目元】が人気となる結果に。また今回のアンケート調査に回答いただいた122名全員(100%)が「美容整形に賛成」するなど、10代女性の美容整形に対する肯定的な価値観が表れました。

(2021年4月20日 THE SANKEI NEWS より一部抜粋して転載)

美容整形の見積価格比較アプリ「カンナムオンニ(강남언니)」を提供する Healingpaper(힐링페이퍼)は、日本進出から4ヶ月でクリニック350ヶ所を顧客獲得したことを明らかにした。韓国で同数のクリニックを獲得するのに3年かかったことを考えると9倍のスピードだという。日本のユーザは、このアプリを使って日本と韓国の美容整形クリニックを検索・比較検討できる。

全国の消費生活センターには美容医療に関する相談が毎年2000件前後寄せられている。「レーザー脱毛」「豊胸」「脂肪吸引」「包茎手術」といった医師が行う美容医療施術において、その契約内容や広告に問題のあるものや、皮膚障害や熱傷など危害を受けたという相談が多数寄せられているのだ。

あまりのひどさに消費者行政の監視役として2009年に創設された内閣府の消費者委員会は過去に2度、厚生労働大臣に改善策を求める建議を出しているが効果は上がっていないようだ。

国民生活センターも一向に減らない美容医療の消費者トラブルを受けて、たびたび情報を出している。最近では2020年9月に美容医療をオンライン診療で行うクリニックに関する相談が近年増加しているとして注意喚起を行っている。

特に問題視されているのは、痩身治療としては未承認の糖尿病治療薬(GLP-1受容体作動薬)をオンライン診療のみで処方し、痩身目的で患者に自己注射させているケースでのトラブルだ。

(2021年3月3日 現代ビジネス より転載)