美容医療をはじめとする保険外診療へ医師流出が止まらない現状を是正するため、厚生労働省が対策を打ち出す。内科や外科など、公的保険の対象となる一般的な診療に最低5年ほど取り組まなければ、自前のクリニックを開いても保険診療を提供できないようにする。
保険医療を扱う一般的な病院や診療所の管理者となる要件に、保険医療機関での勤務経験を求める。必要となる勤務期間は5年間を軸に調整する。
(NIKKEI Degitalより転載 2024年12月5日)
美容医療の適切な実施に関する厚生労働省の検討会が18日開かれ、同省は、病院やクリニックを対象に安全管理状況を年1回、自治体に定期報告することを義務付ける対応案を示した。委員から特段の異論はなく、健康被害やトラブルの相談が増えているのを受け、年内にも対策をまとめる。 報告された内容は自治体が公表する。想定する報告事項には、安全管理のほか、医師の専門医資格の有無、副作用などの問題が起きた場合に患者が相談できる連絡先、といった点を挙げた。 保健所が美容医療に関する専門知識を持っていない場合もあるため、国が立ち入り検査や指導の法的根拠を明確化し通知を出す方針を示した。
(2024/10/18(金) Yahoo!ニュースより転載)
厚生労働省は31日、美容目的などで「エクソソーム」と呼ばれる細胞の分泌物を使った自由診療が広がっていることを受け、そこで使われる製品には国の薬事承認を受けた医薬品はなく、安全性などが確認されていないと注意喚起した。都道府県などに対し、効果効能をうたうような製品の広告や販売への指導や取り締まりを徹底するよう要請した。
エクソソームを含むとされる成分を使った医療を行う医療機関に対しても、安全性に留意するよう求めた。厚労省は同日付の事務連絡で、①エクソソームを病気の治療目的に使用できると示している②承認された医薬品と誤認させる③医薬品のような効果効能を説明している―といった製品があった場合に、自治体が指導を行うとした。
医療機関向けには、エクソソームなどを用いた自由診療をする場合には、日本再生医療学会が品質やリスクの管理についてまとめた手引を参考に安全な実施に努めるよう呼びかけた。
(2024年7月31日 産経新聞WEBより転載)
厚生労働省は6月27日、第1回「美容医療の適切な実施に関する検討会」を開催し、美容医療に関する現状と検討の方向性を提示した。美容医療は健康保険が適用されない自由診療で実施されているものの、近年、不適切な医行為によるトラブルの相談が問題となっている。
(2024年7月5日 日経メディカルより転載)
武見敬三厚生労働相は14日の閣議後の記者会見で、トラブルが増えている美容医療について「利用者の安全や医療の質向上、医療機関の健全な育成のために新たな検討会を開催する」と表明した。医療機関の関係者や専門家を集め、美容医療の提供体制などについて議論する。
国民生活センターによると美容医療に関する健康被害や契約などの相談件数は2023年度に6255件と、前年度比で6割以上増えている。
(2024年6月14日 日本経済新聞より転載)
トラブル急増の美容医療、シワやたるみを取る施術で白内障の報告も…厚労省が有識者検討会設置へ
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美容医療をめぐるトラブル相談が急増していることを受け、武見厚生労働相は14日の閣議後記者会見で、美容医療の適切なあり方を議論する有識者検討会を設置する方針を明らかにした。今夏にも初会合を開く方向で、自由診療が中心の美容医療について実態を把握するとともに対策を検討する。
検討会のメンバーは、美容医療を提供する医療機関や関係学会、法令の専門家などで構成される予定だ。武見氏は「医師法などに基づき、質が高く安全な医療をどう提供するかについて議論してもらう」と述べた。
国民生活センターによると、2023年度に寄せられた美容医療に関するトラブルの相談件数は6255件で、前年度と比べ1・6倍に増えた。このうち、けがなどの健康被害に関わるものは891件に上った。
超音波を照射してシワやたるみを取る「HIFU(ハイフ)」という機器で白内障やまひが報告されているとして、厚労省は6月上旬、医師以外が施術を行えば、医師法違反にあたるとする通知を出した。
(2024年6月14日 讀賣新聞より転載)
2024年6月7日、厚生労働省から各都道府県衛生主管部(局)長に向けHIFU施術における通達が出されました。
https://www.biyouiryou.jp/upload/20240607_hifu.pdf
■ 医師免許を有しない者が行った高密度焦点式超音波を用いた施術について
消費者安全調査委員会による調査報告書「消費者安全法第23条第1項の規定に基づく事故等原因調査報告書 エステサロン等でのHIFU(ハイフ)による事故(令和5年3月29日)」において、医師免許を有しない者が高密度焦点式超音波(High Intensity Focused Ultrasound。以下「HIFU」という。)を用いて行った皮下組織に熱作用を加える施術(以下「HIFU施術」という。)が原因となって急性白内障や神経麻痺等の身体に被害を受けたという事例が相当数ある旨が報告されている。
今般、消費者安全調査委員会から厚生労働省に対して、HIFU施術に対する医師法(昭和23年法律第201 号)上の取扱いの整理が求められているところ、国民への危害発生を未然に防止するべく、下記のとおり見解を示すこととしたので、御了知の上、貴管内の市町村、特別区、関係機関及び関係団体等に周知方願いたい。
記
第1 HIFU施術に対する医師法の適用
用いる機器が医療用であるか否かを問わず、HIFUを人体に照射し、細胞に熱凝固(熱傷、急性白内障、神経障害等の合併症のみならず、HIFU施術が目的とする顔・体の引き締めやシワ改善等も含む。)を起こさせ得る行為(以下「本行為」という。)は、医師が行うのでなければ保健衛生上危害を生ずるおそれのある行為であり、医師免許を有しない者が業として行えば医師法第17条に違反すること。
第2 実施場所について
医師による本行為は、医療法(昭和23年法律第205号)第1条の2第2項に規定する医療提供施設において行うこと。
第3 違反行為に対する指導等
違反行為に関する情報に接した際には、実態を調査した上、行為の速やかな停止を勧告する等必要な指導を行うほか、指導を行っても改善がみられないなど、悪質な場合においては、刑事訴訟法第239条の規定に基づく告発を念頭に置きつつ、警察と適切な連携を図られたいこと。
脱毛や薄毛治療など自由診療で行われる美容医療をめぐって健康被害などの相談や契約上のトラブルが増加していることを受け、厚生労働省は専門家などによる検討会を立ち上げ、対策などを協議していくことになりました。
国民生活センターによると美容医療をめぐるトラブルの相談件数は昨年度が5833件で、5年前のおよそ2.9倍に増加しています。
このうち、けがや病気など健康被害を受けたという相談は、昨年度は839件で、5年前のおよそ1.7倍となります。
こうした美容医療のほとんどは公的な医療保険が適用されず、費用が全額、患者の自己負担となる自由診療で運営されています。
診療の内容が妥当かなどについて、保険診療の場合は、地方厚生局や診療報酬の審査支払機関による確認が行われていますが、自由診療の場合、第三者が確認する制度がありません。
こうした自由診療で行われる美容医療は美容や健康への関心が高まる中で、患者のニーズに応じて提供されていることから、厚生労働省は今後、専門の医師などによる検討会を立ち上げ、適切な美容医療のあり方や対策を協議していくことになりました。
(2024年5月30日 NHK Newsより転載)
厚生労働省が、アトピー性皮膚炎などの治療に使われる保湿用塗り薬「ヒルドイド」の患者負担額を10月から引き上げることが、21日分かった。安価な後発品(ジェネリック)の利用を促し、医療費を抑制する狙い。
医療上の必要があると医師が判断した場合は、引き上げの対象外となる。ヒルドイドは美容目的での不適切な利用が増え、医療費の無駄遣いだとの批判も出ていた。
厚労省は10月から、特許が切れた先発医薬品について、ジェネリックの販売から年数が経過していたり、置き換えが一定以上進んでいたりする場合は負担額を引き上げる方針で、ヒルドイドも対象となった。
実際の負担額は、薬のタイプや処方量、年齢などに応じた自己負担割合によって異なる。3割負担の人がクリームのヒルドイドを300グラム処方される場合、窓口負担は、現行より774円増の2439円となる。
ヒルドイドは、雑誌や交流サイト(SNS)などで「美肌になれる」と紹介され、公的医療保険を適用すれば安く入手できることから、化粧品代わりに使う人が増加し、問題となっていた。
(2024/4/22 10:00 毎日新聞より転載)
米国の複数の州で美容目的で「ボトックス」の注射を受けた後に体調不良になったり入院したりする例が相次いでいるとして、米疾病対策センター(CDC)が調査を始めた。いずれもスパなど医療施設ではない場所で注射を受けたとしている。一部で偽造品も見つかった。
ボトックスはボツリヌス菌が作り出す毒素が主成分で、しわ取りなどを目的に施術される。
CDCの発表によると、フロリダ州、ニューヨーク州、ワシントン州など全米9州で施術を受けた20~50代の女性19人で有害事象が報告された。注射部位以外に毒素が広がった可能性が懸念されたため、このうち9人が入院し、4人はボツリヌス菌の抗毒素による治療を受けた。死亡例は報告されていない。いずれも無免許または訓練を受けていない個人から投与され、一部は偽造品だったという。
(2024/4/18 10:55 毎日新聞社より引用)
新型コロナウイルスの無料検査事業を巡り、美容医療を手掛ける「スキンシアクリニック」(東京都荒川区)の石山実穂院長が東京国税局の税務調査を受け、2022年の1年間で約10億円の申告漏れを指摘されたことが21日、関係者への取材で分かった。都から受け取った補助金約28億円のうち約10億円が検査の委託先に支払われておらず、石山院長の個人所得に当たると認定されたもようだ。
過少申告加算税を含む所得税などの追徴額は約6億円に上り、石山院長は既に修正申告を済ませたとみられる。10億円規模の補助金が受給者の個人所得と認定されるのは異例という。
関係者によると、石山院長は21年12月、新型コロナの無料検査所を開設するとして都に事業者登録を申請。22年3月以降、スキンシアクリニックを含む都内の3カ所に検査所を設置し、無料でPCR検査を行ったなどとして補助金を受け取った。
同クリニックは検査業務を外部に委託し、その費用として計約28億円を計上。だが、東京国税局が調査した結果、約10億円は委託先に支払われず、大半を石山院長の夫である医師が検査とは無関係のことに使っていたことが確認された。
(2024年03月21日11時12分 時事ドットコムニュースより引用)