第48回日本美容外科学会総会・第154回学術集会への展示ブース出展について
美容外科学会総会・第154回学術集会」に、当協会は展示ブースを出展いたします。
当日は、当協会スタッフがブースに常駐し、「美容医療・医師賠償補償制度」をはじ
め、各種ご案内や説明を行います。
ご来場の際は、ぜひお気軽にお立ち寄りください。
10代から80代まで幅広い層が苦しんでいる
ヒアルロン酸注入後に皮膚が壊死した女性
(https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/amd-img/20250918-00000005-friday-000-1-view.jpg?exp=10800&fmt=webp)
まずは上の写真を見ていただきたい。交通事故の被害者のように見えるこの女性の痛々しい傷は「美容整形の後遺症によるもの」である。実際に彼女の後遺症の治療を行った日本医科大学付属病院・美容整形後遺症外来には、日々多くの患者が相談に訪れる。その最前線に立っている形成外科専門医の朝日林太郎医師が解説する。
「これはヒアルロン酸の注入後の後遺症です。ヒアルロン酸はシワやたるみ改善に使われる人気の治療ですが、まれに血管塞栓という合併症が起こります。ヒアルロン酸が血管に入り、血流を遮断してしまっている状態で、失明や皮膚の壊死など重大な合併症が生じることがあります」
近年、美容医療が爆発的に広がっている。インフルエンサーが堂々と「整形告白」をし、SNSにはキラキラした美容医師の広告があふれる。気軽に美容医療を受ける人が増える一方で、後遺症や医療事故に苦しむ人々も増えているのだ。
朝日医師は「患者数はここ5年で5倍以上に増えています」と言う。
「10代から80代まで幅広い。まぶたが閉じなくなった、鼻が変形した、脂肪吸引後のしびれや慢性痛、注射による壊死……。簡単だといわれている治療や手術で失敗や合併症が起きることもあり、パターン化ができないのが美容整形後遺症の難しいところです。
本来なら、美容医療を受けたクリニックで治療してもらうのが一番いいと思いますが、なかなかそうもいかない。患者さんは悩んだ末に私たちの外来にたどり着きます。受け皿にならざるを得ないという現状です」(以下、「」内はすべて朝日医師)
一見すると新しい医療分野のように思われるが、実は美容後遺症外来には長い積み重ねがある。
「日本医科大学病院では30年ほど前から形成外科の一部として存在し、15年前に専門外来として特化しました。2020年から私が責任者となり、全国から寄せられる相談に応じています。美容整形後遺症外来は命に直結する急性期ではなく、慢性的な不調が続く患者が対象となります。
患者の多くが手術や施術から2~3年が経過した方です。美容整形を担当した医師に『そのうちよくなる』と言われ、結局改善しないまま苦しみ、私たちのところに相談に来る。そんな患者さんが増えています」
後遺症治療を進めるうえで、元の執刀医と連絡を取ることは欠かせないが、そんな初歩的なところにも「問題がある」という。
「もちろん患者さんの同意を得てですが、できる限り手術を担当した先生に確認を取るようにしています。ただ、実際には診療情報をなかなか開示してくれないクリニックが多いというのが現状です」
医師法では、正当な理由がない限り診療情報は開示されるべきとされている。
「透明性は重要です。しかし、記録が残っていなかったり、記録とはまったく違う処置がされていたりします。ですから、情報開示の仕組みが整えばすべて解決、という単純な話ではありません。美容整形後遺症治療では、患者の状態を見極め、患者ごとに最適な対応をとることが最も重要になります」
◆「イレギュラー」に対応できない医師
美容整形の合併症は、時に命を奪うこともある。実際、過去に重大事故が繰り返されてきた。
(2025年9月18日 Yahoo!ニュースより転載)
健康被害が相次ぐ美容医療を巡り、厚生労働省が違法の疑いがある行為を具体的に挙げ、適切に指導するよう求める通知を各都道府県などに出したことが14日、分かった。無資格者による医療方針の決定や、メールやチャットに限った不十分な診断などを挙げた。
美容医療に関する相談は増加傾向にあるが、違法性の線引きや、保健所による立ち入り検査の可否判断が難しいとの指摘があった。法的根拠を明示することで指導体制の強化につなげたい考えだ。
美容医療はエステサロンなどと比べて大きな効果が期待できる一方、医療行為に当たるため、医師や看護師などの資格が必要だ。
美容医療を巡る相談件数は年々増加し、2023年度の国民生活センターなどへの相談は5千件超。厚労省の検討会では「医師の診察前に治療内容が決まり契約した」「医師ではない無資格者の施術だった」などの相談が報告された。
美容医療の多くは自由診療で行われ、行政による指導・監査が可能な保険診療に比べ実態が見えづらいとの指摘がある。保健所には美容医療に詳しい職員が少なく、医療行為の適否の判断が難しいとの声や、医師法で義務づけられた診療記録の作成・保存が不十分で、問題事例の確認が困難な医療機関もあるとの意見も上がっていた。
通知では、医師免許のない無資格者が「カウンセラー」と称し、医療脱毛や高密度焦点式超音波(HIFU、ハイフ)などの治療方針を決めて施術することは医師法違反と明示。医師の指示がない看護師らのみの治療を禁じ、治療行為の料金設定の説明という体裁であっても医師以外が治療方針などを決めてはならないとした。
メールやチャットのみの診断では不十分な場合があり、医師法違反の恐れがあると解釈。記録不備がある場合も違反に該当するとした。こうした医師法などの違反が疑われる事案があった場合は、保健所が医療法に基づき立ち入り検査できると示した。
(2025年9月15日 2:00 日本経済新聞より転載)