美容レーザー誤りやけどか、医師らを書類送検 未承認機器のリスクは

 顔やあごのたるみを取る美容手術で、レーザーの照射を誤って患者に重いやけどを負わせたとして、大阪府警は美容クリニックの40代の女性医師と女性看護師2人の計3人を業務上過失傷害容疑で書類送検した。捜査関係者への取材でわかった。3人は容疑を認めているという。

 送検は26日付。捜査関係者によると、医師が勤務する大阪市北区のクリニックで昨年1月28日、同市内の30代の女性患者のレーザー治療をした際、冷却措置ををとらず、患者の様子も確認せずに手術を進め、患者の首や顔に約2週間のやけどを負わせた疑いがある。治療には特殊な照射機器が使われた。

 捜査関係者らによると、施術当日、医師は患者に静脈麻酔をした後、看護師に治療を指示し退室。施術は看護師2人が行った。機器は日本国内では未承認の韓国製で、医師が個人で輸入したという。

 患者側が昨年11月、全治6カ月のやけどを負ったとして同容疑で告訴し、府警はクリニックを家宅捜索していた。クリニックを運営する医療法人は27日、取材に「詳細についてはお答えすることが難しい」と答えた。捜査関係者らによると、患者とクリニックの間で示談交渉が進んでいるという。

(2022年1月27日 朝日新聞デジタル記事 より転載)